臨床検査とは?
人間の医学では「臨床検査医学」として臨床検査が一学問の分野になっています。そして「臨床検査医学」のことを「基礎医学と臨床医学を結ぶ架け橋となる総合的な学問を研究し、種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する」としています。これは獣医学においても臨床検査における重要な目的のひとつとして挙げることができます。
人間の医学では「臨床検査医学」として臨床検査が一学問の分野になっています。そして「臨床検査医学」のことを「基礎医学と臨床医学を結ぶ架け橋となる総合的な学問を研究し、種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する」としています。これは獣医学においても臨床検査における重要な目的のひとつとして挙げることができます。
臨床の現場における臨床検査部の仕事は、大きく二つあります。ひとつは獣医師が診断や治療のために依頼したいろいろな検査を行うことで、人間の臨床検査では、患者さんの検体、すなわち血液や尿あるいは組織などを対象とする「検体検査」と患者さん自身を対象に行う心電図、脳波検査などの「生体検査」に分けることができますが、臨床検査部では前者の「検体検査」を主たる業務としています。検体検査は生化学(血液化学)、血液学、免疫学、微生物学、輸血、遺伝子、病理学検査に分けられます。
もうひとつは検査全体のマネージメント分野で、獣医師からの検査データ解釈問合せに対するアドバイス、外注検査の依頼及び結果管理、日常検査データの精度管理、検査過誤を予防するためのシステムの導入、検査法の標準化の推進、新しい検査項目の開発、新しい検査項目の選定、臨床的有用性を確認するための研究などです。
当施設でも血液検査、血液化学検査、血液凝固検査など多くの検査専用の機械(検査機器)が導入されています。実際の検査は確かにそれぞれの検査機器が行ってくれます。では、臨床検査スタッフの役割とは何でしょう?検査機器を正しく操作することはもちろんですが、一番重要なのは検査機器が出した検査結果が正しいかどうかを判断することです。得られた結果をみて、再検査や検体の再採取の必要性を判断する、そのために臨床検査スタッフは検査機器の構造や特性、検体の状態が検査に及ぼす影響、他の検査結果との整合性などを常に意識して検査を行わなければなりません。