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がんと言われたら

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はじめに

「なんかいつもと違う」「デキモノがあるみたい」「急に元気がなくなって・・」それとも、いつもと全く変わらないのに健康診断でみつかることもある「がん」。犬や猫でもがんに罹ることがあると聞いたことはあったとしても、「まさかうちの子がなるとは思ってもいなかった」というのがほとんどの飼い主さんの気持ちではないでしょうか。
動物の「がん」にも人と同様、様々なものがありますが、たとえそれがどのようなものであれ、「がん」と宣告されたときの飼い主さんのショックはとても大きいものでしょう。 ただし「がん」イコール「死」と考えるのは間違いです。「がん」とわかったとしても、その対処法は数多くあり、それに取り組んでいくためにも、飼い主さんはショックを受けたままではいられません。動物医療の世界でも、完治は望めくとも「がんと付き合っていく」「がんをコントロールしていく」時代になっているのですから。

がんと付き合っていく心構え

まず正体を知ろう
「がん」には様々な種類があり、その種類と進行度合いなどによって治療法は異なります。
そのために、例えば「お腹に腫瘍がある」と動物病院で言われたとしたら、それはどのような「がん」であるのかをきちんと調べてもらう必要があります。「がん」の正体を把握できて、初めてその対処法がわかるからです。
どう戦うか
よく言われるように、悪いものを取り除くために手術を行う外科か、薬を用いてがんを小さくしたり、なくそうとする内科か、と治療法は大きく2つに分けられます。しかし、また違う見方として、積極的治療か緩和治療かといった考え方があることをご存じでしょうか。早期発見で、かつ悪い細胞がほかに転移していない場合などには完治をめざし、積極的に立ち向かうことが望まれるでしょうが、そうでなかった場合には、まず今あるがんを小さくするよう努め(外科的でも内科的でも)、そしていわゆる生活の質(quality of life: QOL)をできるだけ保つ方法が「緩和ケア」といわるものです。可能なかぎり動物の負担を軽くしながら、がんと付き合っていこうという考え方です。  完治でなければすべて「敗北」と捉える必要はありません。動物にとって快適な生活をできるだけ維持する「緩和ケア」も、がんへの戦略のひとつなのです。

覚悟を決めるということ

私たち飼い主は、動物を飼い始めたときから「別れ」を意識せざるを得ません。そしてそれが、「がん」と宣告された場合に、具体的に現れます。よく口にされる「覚悟を決める」と言う言葉、これは具体的にはどういったことなのでしょうか。
それは「別れ、死を迎える心の準備をし始めること」と考えてよいと思います。「簡単に言うけれども、そんなことはできない!」。確かにそうでしょう。しかし飼い主としての最後のそして最大の義務として、動物の死を看取ることがあります。私たち人間にもいつか死が訪れるように、生物として生まれたものにはすべて死がついて廻り、それを避けることはできません。
共に暮らしてきた動物たちの最期をどのように迎えさせるかについては、飼い主自身の死生観が問われます。自分はどのように死を受け入れていくだろうか、といったことを自問自答することとなるでしょう。残念ながら「完璧な死」というものはありません。何を選択しても、誰でも何かしら後悔の念を抱くものであることを承知しておきましょう。 私たちに今できることは、出会えたこと、そして共に過ごすことができたことに感謝するだけです。その感謝の気持ちとともに送り出す勇気を持つことが求められているのです。

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