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科長インタビュー

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画像診断科 科長 戸島 篤史

画像診断科ではどのような診療をしていますか?
当センターの各科の症例の画像診断を行っています。レントゲン、超音波、CT、MRIを使って検査をし、その結果を見ながら担当の獣医師とともに考え、診断します。たとえば人医療の場合は放射線科での画像診断は、骨だけを診る人、脳だけを診る人、胸部だけを診る人などといったように細分化されていますが、動物の場合はほぼすべての診療科目を網羅しています。二次診療ということもあり症状が重かったりこじれてしまっていることが多いので、ほとんどのケースで何かしらの画像診断を行っています。むしろ何もしないほうが珍しいくらいです。
なぜ画像診断を専門に選んだのでしょうか?
画像診断はすべての専門分野に携われる、あらゆる病気を一通り見ることができると思ったからです。ひとつの診療科を専門とすると、どうしてもその科目に関連する病気ばかりになってしまいがちですが、画像診断ならばいろいろな症例を見ることができますので、そのほうが面白そうだと思ったのが大きいです。
一般的に、一次診療の動物病院では触診などの身体検査を行った後に、検査を行う場合は血液検査、尿検査、画像検査をします。臨床獣医師として勤務した最初は一次診療の動物病院で働いていたのですが、そこではできる検査が限られていますので、画像検査をミスすると誤診にもなりかねず、的確な画像診断ができればより良い治療を進めていけるのにと感じていました。実際に自分が誤診したときの原因を考えると、画像検査のミスがあったことも多く、それは他院においても同じだと感じていました。ですから、画像診断の力をつけていきたいという思いがあり、そのことも専門として選んだ理由のひとつです。
どのようにしてMRIやCTの診断技術を習得されたのでしょうか?
実は国内にいい教科書がまったくでていないのです。たとえば自分が画像診断した後に、外科手術をし、手術で取り除かれたものを病理診断に回すと、それが何であったのかが分かりますよね。当院ではこのような流れを追って状況を見ていくことができるので、それをひたすら続けていたら、だんだん分かるようになってきました。今でもそれを続けていることに変わりはありませんが、いい教科書がない以上、診断技術を習得していくにはとにかく繰り返し見ていくことだと思います。
画像診断技術を向上したいと思っていても、このような地道なやり方は到底真似することができないと言われてしまうのは残念に思いますので、日本人の獣医師として日本人向けの教科書をいずれ書きたいと思っています。
適切な治療をしていくためには、画像診断は重要な位置づけにあるのですね
先ほどもお話ししましたが、誤診されている症例を見ると、やはり画像診断でミスしていることが多いと思います。そういう点で当センターでは、担当の獣医師と一緒に画像診断を行うスタイルをとっているのも良いところだと思います。一般的には担当獣医師がひとりで考えて画像診断し、治療を進めていきますが、診断を間違えているのに気づいた時にはすでに遅かった、ということが往々にして起きています。診断がうまく行かないとその先の治療もうまく行かないことが多いのです。
特に相談して欲しい症例はありますか?
すべてを診ていますので、診断に迷ったり何が起きているのか分からないといった症例がありましたら、何でもご相談いただければと思います。私自身、今でも初めて見るような症例が多いですし、むしろ、初めての症例ばかりといってもいいくらいですので、いつも頑張って調べています。似たような症例でもやはり少しずつ違いますからね。
今後どのような診療をしていきたいとお考えでしょうか?
レントゲン、CT、MRI、超音波、すべてにおいて日本一きれいな画像を撮り続けていきたいです。画質もそうですが、たとえばCTではほんの少し角度が曲がるだけで、見たい部分が見にくくなることがあります。画像が悪いと必然的に情報量が少なくなるので、診断をするのが不安にもなります。見えない部分があると、その部分に対してどうなっているのだろうとあれこれ思慮する必要も出てきますから。画像の良し悪しが診断に直結しますので、とにかくきれいな画像を撮り続けていきたいと思っています。
あとは、後進を育てていきたいですね。直接指導できれば一番いいのかもしれませんが、どうしても人数が限られてしまいますので、そこでも教科書の必要性を感じています。スタッフが頑張るのはもちろんですが、ご家族様の方も頑張って通ってくださっているので、当センターは診断をしっかりつけて治療ができていると思います。そういった皆の頑張りを、教科書という形にして出せたら・・・という気持ちもあるのです。
皆さまへ向けてメッセージをお願いします
全力で画像診断をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。100%確実に診断できるようになるのが理想であり目標ですが、どうしても分からないことがあったり、ミスしてしまうことも出てきてしまうかもしれません。しかし、悪い方向に進んでしまったときに、全力でやっていませんと、自分にもご家族様の方にも遺恨が残ると思うのです。ですので、絶対に手を抜かずに全力で診療をしていきたいと思っています。

(写真と記事:尾形聡子氏)

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