JSAMC日本小動物医療センター

犬と猫に対する現在実施中の臨床試験

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臨床試験とは?

臨床試験は、新しい薬や医療機器を一般診療で使えるようにするために、実際の動物を対象に効果と安全性を評価するものを指します。科学的な検証を通じて、有効性と副作用を明らかにします。

臨床試験とは、獣医師主導臨床試験の略であり、本センターで実施されるすべての獣医師主導臨床試験は、農林水産省消費・安全局長による「臨床研究において使用される未承認動物用医薬品等の提供等に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の適用について」に準じて、センターの臨床試験倫理委員会の承認のもと実施されています。

下記の臨床試験を日本小動物医療センター附属日本小動物がんセンターで実施中です。

それぞれの試験には組み入れの条件などがございますが、詳細につきましては、
各担当者までお気軽にお問い合わせください。

抗PD-1抗体を用いた犬のがんに対する臨床試験

抗PD-1抗体は、医療においてはオプジーボ、キイトルーダという薬が使用され、最も効果の高い免疫療法と考えられています。
犬用の抗PD-1抗体を用いた犬のがんに対する臨床試験については責任者の水野拓也が、2018年より山口大学でこれまで実施してきており、一部の結果については論文発表しています(2024, 2022, 2020)。さらに、すでに300例を超える子たちに投与してきた実績があります。(詳細はこちらを参照してください) また最近ではこれまでの治療で効果がなかった子たちにも本治療法と他の治療法を組み合わせるような新たな治療にも取り組んでいます。

実施中または実施を予定している臨床試験について

  • 免疫賦活作用をもつサイトカインとの併用
  • オンセプトメラノーマワクチンとの併用
  • 抗腫瘍免疫応答を増強する代謝調節薬との併用
  • その他の免疫チェックポイント阻害抗体との併用

本試験に関する詳細な条件や内容につきましては、担当の水野(mizutaku@jsamc.jp)までお気軽にご連絡ください。

抗PD-1抗体を用いた猫のがんに対する臨床試験

猫のがんに対する治療研究は犬ほど進んでいないという現状があります。猫のがんに対する治療法の開発は、犬ほど進んでいないという現状があります。
第3腫瘍科の水野は犬と同様、猫のがん治療に用いることができる猫用の抗PD-1抗体を開発しました。さまざまな予備試験を経て、ようやくがんの猫に投与できる状態になり、2025年8月より臨床試験を開始しております

本試験に関する詳細な条件や内容につきましては、担当の水野(mizutaku@jsamc.jp)までお気軽にご連絡ください。

抗CD20抗体を用いた犬の高悪性度B細胞性リンパ腫に対する臨床試験

抗CD20抗体は、医療においてはリツキサン、ガザイバという薬が使用され、B細胞性リンパ系腫瘍の効果の高い治療法と考えられています。
第3腫瘍科の水野は、以前に犬用の抗CD20抗体を開発し、それを用いた犬のがんに対する臨床試験について2020年より本センターで実施してきました。その成果は現在論文投稿中ですが、引き続き本試験を継続中です。

本試験に関する詳細な条件や内容につきましては、担当の水野(mizutaku@jsamc.jp)までお気軽にご連絡ください。

犬および猫の悪性腫瘍を対象とした超音波ガイド下HIFU治療装置(Suizenji-Vet)の臨床試験

PetVoiceを用いた体温測定による化学療法後のFN対策についての研究

日本小動物医療センターで実施中のそのほかの臨床研究

犬の胆嚢粘液嚢腫に対する前向き研究について

犬の慢性腸症に対するプレバイオティクスの有効性の検討

イヌの敗血症性DICに対する t-PAの24時間持続投与の有効性の検討

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